2005年11月20日掲載
Chris Connor      a weekend in Paris
Roulette原盤          1963年録音

 クリス・コナーのアトランティック時代の作品を12枚取上げましたが、その最後の録音は「フリー・スピリッツ」でした。そこでには、ファンキー・ゴスペル調で歌うなど、それまでとは違うクリスがおりました。それから1年を置いて吹き込まれたのが、今日取上げる作品です。ミッシェル・コロンビエのオーケストラをバックにして、割と地味な曲を取る上げている、パリでの録音盤です。

20051120

 感情表現を強く押し出すクリスさんの姿に驚き。彼女の魅力であり、他の歌手に無い特徴は、抑え気味の感情表現でありながら、気持ちがしっかりと伝わってくる歌い方でした。しかし、アトランティックを離れてからは、彼女の中で変化が起きていたのでしょう。

 クリスほどの歌手ですから、この感情表現、そして黒人フィーリングの加味の仕方でも、それなりに聴かせるのは流石です。

 しかし「フリー・スピリッツ」に続いてゴスペル調の曲も用意されていますが、この作品の中では浮いたものでした。全体的には、自分に変化を求めて彷徨っているクリスさんです。