2016年12月5日掲載
Sarah Vaughan      Crazy and Mixed Up
Pablo原盤           1982年3月1日録音

 サラ・ボーンの存在が世に知れ渡ったのは、18歳だった1942年にアポロ劇場素人コンテストで優勝した時でした。その後、ずっと第一線で活躍した彼女は、1990年に66歳で亡くなりました。

 その直前まで活動していた彼女、今日取り上げる1枚は、亡くなる8年前の58歳の時の吹き込みです。そして、数多ある彼女の作品の中で、この作品を代表作に選ぶ方がいるものです。亡くなるまで名声だけではなく、実力も一線級だったことの証ですね。 

 ジョー・パスやローランド・ハナが入ったカルテットをバックにしての、録音です。日本語タイトルは収録されている人気曲にあやかって「枯葉」ですが、原題の「Crazy and Mixed Up」の相応しい訳を考えながら聴いてみます。

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 コンボをバックにしての、大物歌手の熟練の熱唱という、ありきたりに思える褒め言葉が光って聞こえる作品です。
 焦点は「枯葉」です。アップ・テンポでサラはスキャットで原曲の姿を所々に感じさせながら、仕上げていってます。「枯葉」が収録されていないとレコード店に苦情を言った人がいるとの逸話も、分からないものではありません。

 「サイコーに料理しようぜ」、私が感じた「Crazy and Mixed Up」の訳です。