OWLというレーベルは、1980年代半ばから積極的に作品を発表していたフランスのジャズ・レーベルです。このコーナーでも今までに3枚取り上げており、中でもヨアヒム・キューンの作品がお気に入りであります。しかしこのレーベルは、1990年代に入るとその活動が停滞していったように記憶しています。
従って今日取り上げる作品は、OWLレーベルの晩年の作品と言えるのでしょう。僕が持っているのは、2006年にUniversal Music から再発されたCDであります。買った時にはレーベル名を意識しておらず、新譜と思って購入したのでした。参加ミュージュシャンは、John Abercrombie(g),Marc Johnson(b),そしてPeter Erskine(d)であります。John Abercrombieのギターに、フュージョンで鳴らしたボブ・ミンツァーのサックスという、一見ミスキャストと思ってしまう二人の演奏が楽しみな作品です。
晴間と曇り空が交互に顔をのぞかせる風景が、目に浮かぶ演奏です。明るさと刺激がミックスされ、心地よさが漂う内容です。John Abercrombie のギターに彼独自の過激さが少ないのですが、これはサイド参加としてこの作品のイメージに合わせたものなのでしょう。フュージョンやビッグ・バンドで大活躍のボブ・ミンツァーが、コンボでジャズを演奏したくなり、Jean-Jacques Pussiauの誘いに乗って作られた作品なのでしょう。