この時期に欧州に避難していたアメリカのジャズ・マンに多くのレコーディングの機会を与えていたのが、スティープル・チェイスであります。今日の主役の一人であるケニー・ドリューもそんな一人で、彼の代表作もこのレーベルに残されています。
今日取り上げるのは準代表作言えるもので、デンマーク出身の欧州を代表するベーシストであるペデルセンとのデュオ作品です。
『I Skovens Dybe Stille Ro』は、デンマークの民謡だそうで、穏やかで優しい気持ちになれる曲です。ペデルセンのベースがこの曲を思いをこめて演奏しております。この演奏が最初と最後に収録されているため、このアルバムの印象を決定づける曲となっています。
その間の曲も、基本線は穏やかな優しさがテーマのようにまで感じてしまいます。ピアノに中心の曲と、ベースが中心の演奏が交互に重なりあい、素敵なデュオ作品になっています。またドリューが数曲で使用したエレピも、違和感なく収まっています。
ピアノとベースのデュオ作品の、筆頭格と言えるでしょう。