2016年6月9日掲載
Ornette Coleman      Ornette On Tenor
Atlantic原盤                       1961年3月録音

 アトランティックで6枚のオリジナル作品をオーネットは残しましたが、今日取り上げるのが、その最後の作品です。そしてタイトルで分かるようにテナー・サックスでの演奏です。  国内盤の解説での後藤氏によれば、14歳でアルトを手にしたオーネットは2年後にテナーに転向しました。その後、公演中に暴漢に襲われテナーを壊され、これをきっかけにアルトの専念していたそうです。さらに後藤氏は、それから12年後の本作品録音において何故にテナーを手にしたのかについて興味深いことを書いてますが、それはここで触れずにしておきます。 本作品には盟友ドン・チェリーが参加しており、ピアノレス・カルテットでの演奏です。

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 オーネットとドン・チェリーの演奏での会話にいつもながら聴き入りました。またエド・ブラックエルのドラムも二人の会話を盛り上げるものです。さてベースはジミー・ギャリソンです。オーネットとの共演は数回程度のものなのですが、演奏の道筋をしっかりと刻み、その上で3人が飛び跳ねていると感じられる好演であります。あまり語られない本作品ですであり、オーネットのテナー演奏で語られるのが一般的ですが、テナー云々は横に置いておき、作品自体にオーネットと共演3人の意気込みが詰まったものです。