2016年8月3日掲載
Jean-Luc Ponty   More Than Meets The Ear World
Pacific原盤           1968年録音

 「ヴァイオリンをジャズ・ロックの楽器にした新しい感性が変革の時代に残したヨーロッパ発の名作」と帯に書かれた本作品の主役、ジャン・リュック・ポンティについて、「新・世界ジャズ人名辞典」から簡単に紹介します。 
 1942年にフランスに生まれ、父がヴァイオリンで母がピアノの教師である環境で、5才から音楽教育を受け、パリ国立音楽院でヴァイオリンを学んだ彼は、グラッペリ等の影響でジャズを志し、1961年から活動を始め、1966年にはダウンビートで1位にもなりました。 

 そんな注目を浴びた後に、アメリカのレーベルに吹き込んだのが本作品です。ジョルジュ・グルンツ(p),ダニエル・ユメール(d)の欧州勢と共に、当時欧州で活動していたカーメル・ジョーンズ(tp)とレオ・ライト(as,fl)が参加しております。

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 帯の謳い文句通りの内容であり、なるほどと思いながら、そして楽しみながら聴き終えた1枚です。ただし再び聴く機会は、「今日の1枚からつまみ食い」コーナーで取上げた時しかないでしょう。
 テクニック抜群のポンティですが、魅力は高速ヴァイオリンよりも音色であり、カーメル・ジョーンズとレオ・ライトの熱演がそれを一層引き立てております。