2009年1月21日掲載
Bud Powell            Bud!
Blue Note原盤        1957年8月録音

 パウエルがブルー・ノートに残した6回のリーダー・セッションの中の、4回目に相当するのがこの作品です。「The Amazing Bud Powell Vol.3」との副題が付いております。チェンバースとテイラーとのトリオで5曲(内1曲はソロ)、そこにカーティス・フラーのトロンボーンが加わって3曲の、計8曲が収録されています。人気曲はやはり『ブルー・パール』と『バド・オン・バッハ』であります。

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 アルフレッド・ライオンは、ピアニストの管入りリーダー作品は2管がベストとの考えがあるらしい。この録音までにフラーの他の管がみつからず、トリオとフラー入りに分けて録音したとのことです。

 『ドント・ブレイム・ミー』でのパウエルとフラーの優しい語り合いが素敵な出来なだけに、またこの時期のフラーは絶頂期だっただけに、全てフラー入りで録音していたならば、面白い作品に仕上がったと考えます。

 さてフラーは音楽人生最大の絶頂期を過ごしていましたが、パウエルはフラーとは正反対の時期を過ごしておりました。しかしこの時のパウエルは、人の痛みを自分のことのように感じる、繊細な神経だったのでしょう。『ブルー・パール』に聴き入ってみると、そんなことを強く感じました。この時期のパウエルの演奏も、永遠に聴き継がれるべきものでしょう。