昨年に日本の会社からCD化されましたが、僕の持っているのは1990年代半ばにフランスでCD化されたもので、ライナーもフランス語だけで記載。それを読むと1969年の録音かなと思いましたが、ネットで調べてみると1967年らしいです。
Alain Hatot(sax),Pierre Dutour(tp),Hanri Tischitz(b),Michel Denis(ds)との録音です。サダビーの初リーダー作は、クィンテット編成のものでありました。
1997年にパリ日本文化会館が開館し、初代館長は磯村氏でした。昨年の秋のことですが、横浜美術館で磯村氏の講演会があり、参加しました。その話の中で、パリ日本文化会館で行った日本のアニメを取り上げたイヴェントには、沢山のフランス人が押し寄せたそうです。日本の文化と言えば今やアニメなのでしょうが、パリ日本文化会館ではジャズのコンサートも行っているようです。昨年は今田勝さんがコンサートを行ったとのこと。
話を本盤に移すと、これが録音されたのはサンジェルマンにあるアメリカ文化センターであります。パリ日本文化会館のようなものなおでしょうね。
そこでフランス籍のサダビーが何故にコンサートを行ったのかは不明ですが、そこでの演奏は粒が尖っている、ハード・バップの演奏であります。5人は全くの無名だったのでしょう。その中で後年にジャズ・ファンに名前を覚えられたのは、サダビーだけであります。他の4人も熱い演奏ですが、やはり個性という意味で、プロの世界で生き抜けなかったのでしょう。
本盤には、未だに頑張っているサダビーの、荒削りな魅力が詰まっています。