ジャズ・コープスというグループは、トランペット奏者のトミー・ペルティエが結成したバンドです。唯一のスタジオ作品である本作は、3管バイブ入りの6人編成での演奏です。
さてこのグループ、知名度は全く無し。この作品が未だに世の中で手に入るかというと、ローランド・カークの参加によるものです。カークの参加を売り文句にしようとしたからなのか、集団即興的な演奏を志していたこのバンドの特徴を一層深めたくカークを加えたのか、後者がカーク参加の理由であることを願って、聴いてみます。
実験色強い演奏家と思いきや、歌心溢れるペルティエのオリジナル曲の連続とグループの演奏です。当時としては実験的な演奏なのかもしれませんが、面白さを伴って聴けるものです。カークの参加については、複雑な感想。哀愁溢れるカークのソロが際立つ場面がありますが、それがなくともメンバーの演奏だけでも十分楽しめるものです。このバンドはこのまま活動を続けていけば、1970年代に面白い存在になっていたかもそれません。しかしながらペルティエは1969年から、違う道を歩み始めました。