数年前に廉価盤として何度目かのCD発売された際に、購入した作品です。帯の謳い文句をご紹介。
「エヴァンスの死後、発表された膨大なライブ音源の中でも最上位にランクする傑作ライブ。ポール・サイモン,デニー・ザイトリン,ミッシェル・ルグランらの名曲を中心に、繊細かつ格調高い演奏が並ぶ」とのことです。
マーク・ジョンソン(b)とジョーラ・ラバーベラ(d)との、トリオ演奏です。
スロー・ナンバーだけではなく、それなりにテンポの速い演奏も披露しておりますが、全体がスローなピアノ・ソロの演奏と聴こえてきます。例えば前半に取上げられている「My Romance」ですが、スローからミディアムにテンポが移り、またドラム・ソロもある演奏です。しかし聴きとおしてみると、神経を極限まで研ぎ澄ませてのピアノの、ソロ演奏との印象が残ります。実質最後の「Beautiful Love」はエヴァンスによってスタンダードになったとの曲ですが、トリオの三位一体の魅力が味わえる演奏ですが、聴き終えて、リストを見ながら振り返ってみると、先の印象になってしまいます。この時期の、彼にとっての最後の瞬間の凄みを味わえる1枚です。