ピアニストのディック・モーガンに関しては、リバーサイドに吹き込んだ数枚を持っているのですが、LPなのでこのコーナーでそれらを取り上げるのは、かなり先のことになりそうです。今日取り上げるのは、そのリバーサイドでの1960年代初頭の録音以降、全く活躍の場に恵まれなかった彼が、1994年に残した作品です。David Jenigan(b),Mike Sheoherd(d),そしてSteve Abshire(g)との録音です。
ジャケットには久しぶりの自分の作品を吹き込める喜びが感じられる彼の表情が写っています。
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30年の空白を感じさせない、タッチの強いブースを聴かせてくれます。いろんなことがあった30年だったのでしょうが、音楽への気持ちは常に持ち合わせていたのでしょう。この作品の良さは、ピアノ・トリオにギターが加わっていることでしょう。重厚なトリオに、サラッとしたギターが好対照の色合いを出しています。最初と最後に演奏されている『The Boston Chicken』での、演奏のダイナミックさが聴き所でしょう。