今日取上げる作品は、ショーティ・ロジャースさんのアトランティク第一弾です。
ジャズ聴きが好きな方は世の中に多数おりますが、全ての部門に幅広く聴いている方は、先ずおりません。商売でジャズに関わっている方、私が知っている方ですとジャズ・レコード専門店の方で本当に知識豊富な方ですが、この方とて、1970年以降となると、全てに渡って知っているとは言えません。 純粋にジャズが好きで聴いてきた私にとっては、今日取り上げるショーティ・ロジャースさん辺り、つまり西海岸ジャズには、知らないことだらけであります。
さてショーティ・ロジャースさん、リーダー作をこのコーナーで取上げるのは初めてですので、「新・世界ジャズ人名辞典」から経歴を簡単に紹介します。1924年にマサチューセッツに生まれ、早い時期から活動し、1945年にはウッディ・ハーマン楽団、1950年にはスタン・ケントン楽団に参加し、1954年には自分のクィンテットを結成しました。その後は西海岸ジャズ界の中心人物として活動し、1994年に亡くなりました。晩年まで一線で活動してきた方です。 今日取り上げる作品はリーダー作としては初期のもので、彼の代表作の一つにあげられるものです。ジミー・ジェフリー(cl,ts,bs),ピート・ジョリー(p),シェリー・マン(d),カーティス・カウンス(b)が参加しており、西海岸オールスターズと言ったメンバーでの作品となります。
西海岸ジャズの魅力として、聴いている方が口笛を吹きたくなってくる演奏があると思います。そんな意味では「Isn't It Romantic」が素敵な演奏で、クィンテットでの軽快さが伝わってきます。また西海岸ジャズの魅力としてアレンジの妙があるかと思います。そんな意味では「Martians Go Home」でのロジャースさんのアレンジに感心します。何でもロジャースさんは火星人シリーズで他にも幾つも書いているとか。
今回は西海岸ジャズの王道作品にようやく接した喜びで、聴き終えました。