2016年7月6日掲載
Attila Zoller     Gypsy Cry
Embryo原盤         1969年7月録音

 ギタリストのアッティラ・ゾラーは1927年にハンガリーに生まれ、4才でバイオリン、9才でトランペットを習いました。ギターは第二次世界大戦後に弾き出し、1946年から1948年までブタペストで演奏し、その後はウイーンに出ました。またドイツでも活動し、1954年からユタ・ヒップ、1959年からはハンス・コラーと活動しました。その後アメリカに渡り、1962年からハービー・マン、1965年からはドン・フリーマン,レッド・ノーボ等とも活動しました。1960年代終わりからは欧米各地でソロやトリオで活動していました。 
 以上は「新・世界ジャズ人名辞典」からの引用ですが、私は長年、彼はフリー系のギタリスト、それもグチャグチャ系のフリーの人と思い、彼の作品と縁を作らずにここまできました。これは間違った情報からのものだったようで、彼はバップやブルースを基本にして、フォークや民族音楽、さらにはフリーの感性までも取り入れた演奏とのことです。 

 今日取上げる作品は、ハンガリー・フォークをベースにしたものとのことです。ルー・タバキン(tarogato),ハービー・ハンコック(p),レジー・ワークマン(b),そしてソニー・ブラウン(d)との演奏です。

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 ハンガリー・フォークについては分かりませんが、そのような感覚になる曲が、他民族に触れるときの新鮮さで聴こえてきます。フリー系の演奏もあり、懐の深いミュージュシャンであることが理解できます。この作品はアッティラ・ゾラーを知る1枚と言えるのでしょうし、最近ではエンヤの復刻で彼の作品が再発されているそうです。もう少し彼について知りたいので、その中から1枚買ってみる予定です。