何でもこの作品はトロンボーン奏者のマシュー・ジーを売りだすために、グリフィンとの双頭コンボで、アトランティックが制作したとのことです。そのマシューさんですが、この「今日の1枚」で既にリーダー作を取上げた気になっていましたが初登場ですので、いつものように「新・世界ジャズ人名辞典」からその経歴を簡単に紹介します。
1925年にヒューストンで生まれた彼は、11歳からトロンボーンを吹き始め、1946年にプロ入りし、ガレスピーやベイシーらのところで演奏しておりました。残した単独リーダー作はリバーサイドへの作品だけとか。
ハンク・ジョーンズ,アート・テイラー,そしてビッグ・ジョン・パットン等との演奏です。
グリフィンは持ち味全開で、パットンのオルガンの迫り方も抜群で、楽しい内容です。
主役のマシューに目を向けると、この人の個性はどこにあるのかと、少し考えてしまいます。ぐいぐい,バリバリの演奏よりも、「Poor Butterfly」のようなスロー~ミディアム・テンポで朴訥とした歌心を発揮するところに、サイド・マンを超えた存在を感じました。因みにこの曲ではハンク・ジョーンズがオルガンを弾いてます。良いバッキングですなと感心しながら聴いていると、ソロまで披露しています。これは控えた方が良かったもの。
この吹き込み後のマシューの活動は分かっておらず、1979年に53歳で亡くなったとのことです。