1970年代初頭のジョーダンは、かつての名声からはほど遠い、落ちぶれたジャズ・クラブで演奏しておりました。しかしその地道な活動が、当時の新興レーベルであるミューズ,スポットライト,そしてスティープル・チェイスのオーナー達の目に留まったのです。先ずはミューズから作品を発表、続いてスポットライトから本作品、直ぐにスティープル・チェイスから作品を発表していきました。
スティープル・チェイスからの作品は人気となり、その後の欧州や日本での活躍に結びついたのです。
さて本作品。二つのセッションから構成されています。Cecil Payne(bs),David Williams(b),そしてAl Foster(d)とのカルテット。もう一つは、Lloyd Buchanon(b)とBrian Brake(d)とのトリオ。録音場所は、マンハッタンのマレー・ヒル地区にあるピアニストのチャールス・シルバーの自宅であります。
8曲中5曲がカルテットでの演奏で、バリトン・サックスが主役を務めている内容です。また録音状態が悪過ぎ。
ミューズからの作品もパッとしなかったものなので、もしもスティープル・チェイスから注目を集めていなかったら、ジョーダンが再び注目されることは無かったかもしれません。