「今日の1枚」でフルートとアルト・サックスを演奏するレオ・ライトを取上げるには初めてですので、「新・世界ジャズ人名辞典」から少しばかり経歴を。
1933年にテキサスに生まれた彼は、小さい時からアルト奏者だった父の手ほどきを受けました。高校時代にはオーネット・コールマンに出会いました。その後には軍の楽隊に所属し、除隊後はSFで活動し、1959年にはミンガスのグループに加わり中央進出、その後すぐにガレスピー楽団に入り、1962年末までそこで活動しておりました。1963年には渡欧し、スカンジナビアやドイツで活動しました。彼の音学歴で最も輝いていたのは、ガレスピー楽団に所属し、かつアトランティック及びその傍系レーベルに3枚のリーダー作を吹き込んだ1960年から1963年までだと、廉価CD封入解説で後藤誠さんが書いております。
今日取り上げる作品は3枚の真中の作品で、バレル(g),カーター(b),そしてガレスピー楽団での盟友ルディ・コリンズ(d)であります。
決して個性が強い方ではありませんが、よく歌う演奏です。フルートとアルトでの演奏が、交互に収録されているので、聴き比べの楽しさがあります。廉価盤帯には「ハード・バップ・ファン待望の名盤」と書かれていますが、これは宣伝文句。しかしながらバレルの好演も光り、またいろんなタイプの曲があり、本当に楽しめる1枚です。