2009年2月5日掲載
Mal Waldron            Left Alone
Bethlehem原盤         1959年2月録音

 持っているCD盤は、CDが世に登場してからすぐに国内発売されたもので、三千円台後半の定価であります。僕がCDを購入し始めたときにはこのような旧譜は二千円台後半で発売されていましたが、この作品は三千円台後半で発売され続けておりました。待てどもその状態が続き、ついに高値で購入したのです。

 さて、内容ですが、大名盤なだけにコメント不要でしょう。Julian Euell(b),Al Dreares(d)とのトリオで5曲、そしてマクリーンが加わって1曲演奏されています。大名盤と言いながら、マクリーン入りのタイトル曲だけが語られる作品。「枯葉」のサムシング・エルスと同じような存在なのです。今日はトリオでの5曲に集中して聴いてみます。

20090205

 「塩辛い音色」とマクリーンのアルト・サックスを評したのは会社の先輩ですが、まさにそんな言葉に納得できるタイトル曲です。真摯に吹かれる物哀しいメロディに酔った後のピアノ・トリオでの演奏ですが、録音レベルが低過ぎ。これは製作者側の意図なのかもしれませんが、どうしても異論を挟みたくなります。いずれにしても、物哀しさ。この一言に尽きる日本人好みの演奏ですし、

 続くピアノ・トリオもこの路線、マル節前回の内容です。しかしLPで言うところのB面に移ると、だらしない演奏が続きます。終いには、インタビューでお茶をの濁しているし。A面の物哀しさに涙する1枚、B面は捨てるべき1枚です。