「今日の1枚」で取上げていないミュージュシャンについては、その理由を書いてきましたが、コルトレーンやモンク、そしてドルフィーなど、企画ものとして取上げたかったものです。
今日取り上げるビリー・ホリデイさんについては、その取り上げ方に迷って未掲載のままとなってました。 その理由は、レーベル・コンプリートもので購入していたからです。コロンビア系での録音は、CD8枚組ボックスを1986年に購入しました。またデッカ時代はCD2枚組を1989年に購入していました。
所謂コンプリートものをどう取上げるかが、悩みどころでした。では何故今回取上げるのか、それはこの9月から開始した「今日の1枚からつまみ食い」というコナーによるものです。
最初のテーマは「Easy Living」が入っている作品で、今も継続中です。その「Easy Living」、ボーカル作品が多い曲であり、その極みつけと言われているのがビリー・ホリデイさんなのです。コロンビア系時代もデッカ時代もこの曲を彼女は吹き込んでいますが、今日はデッカ時代を取上げてみます。
彼女の魅力は、悲しみをベースにした奥深い表現力ということなのでしょう。今回、この2枚組CDを何度も聴き返して、その魅力に加えて何んとも云えぬ優しさが、可愛さを彼女の感じました。「Lover Man」「Don't Explain」「Solitude」「My Man」「You're My Thrill」等のスタンダードの代表作として、未だに彼女の歌がリストアップされています。時代を超えて愛される理由は、歌唱力だけではない、彼女の懐の深い魅力によるものでしょう。