ナンシー・ウィルソンのNYでの活動に手を貸したのがキャノンボール・アダレイ、その二人で録音したのが、本作品です。バックは当時のアダレイのバンドです。11曲中、ナンシーは6曲で歌っています。
渋いスタンダード「ザ・マスカレード・イズ・オーバー」が、優しく流れています。ナンシーさんは技巧が前に出ていて、まだまだ大歌手になる前段階という感じですが、なかなかのものです。
全体を通すと、アダレイに爆発感なし。これはナンシーが入らない曲でも同じであり、ナンシーのバックに徹したとも言えるのですが、ならばナンシーが全曲唄ってよと、言いたくなるところです。
サム・ジョーンズのベースですが、特段フューチャーされてませんが、その優しい低音が、何故だか耳に残りました。