ジャズ・ファンにとってジミー・ジェフリーと言えば、映画「真夏の夜のジャズ」の冒頭シーンでしょう。しかしながら、私が知っていることはそれだけで、彼のリーダー作品は持っておりませんでした。数年前の国内ジャズ廉価盤ブームで発売された際に、購入したのでした。ではいつもの「新・世界ジャズ人名辞典」から簡単にジェフリーさんを紹介します。
1971年にダラスに生まれた彼は、ノース・テキサス大学で音楽を学び、1940年代後半からは、ジミー・ドーシー,バディ・リッチ,ウディ・ハーマン,ハワード・ラムゼイ,そしてショーティ・ロジャースと言った有名楽団を経て、1956年からはトリオで活動しておりました。ジム・ホールとボブ・ブルックマイヤー,ポール・ブレイとスティーブ・レイシーと数年でメンバーを替え、1970年代にはキヨシ・トクナガとランディ・ケイともトリオで活動しました。
そんな中で今日取り上げる作品は、そのトリオのデビュー作となります。共演者はジム・ホールとラルフ・ベーニャで、ジェフリーさんはクラリネットやサックス(テナーとバリトン)を演奏しています。
ジミーさんの演奏は、軽快で豊かなメロディ力であり、やはり白人らしく熱気ある演奏とはいかないお方。その演奏を活かすのに、この変則トリオは良い効果をもたらしております。ジミーさんおメロディアスな点を存分に活かしながら、ギターとベースの絡みに上手く乗って、時には思慮深さを感じさせる演奏も随所にあります。ジミーさんがこの編成を生涯気に入ったことに頷けます。