2016年7月2日掲載
Ray Bryant   Live At Basin Street East
 Sue原盤            1963年録音

 レイ・ブライアントがベイズン・ストリート・イーストでトリオで出演した際のライブ盤を、今日は取上げます。 ブライアントは「ベイズン・ストリート・ブルース」なる曲の録音に1960年に加わっているので、この曲が収録されていないのは何故だろうと思いながら曲目リストを見ますと、スタンダードがずらりと並ぶ中で、ボブ・ディランの「風に吹かれて」が演奏されています。さてこの「風に吹かれて」ですが、PPMがヒットさせたのが1963年7月のことなので、最新のヒット曲を取上げたことになりますね。ジミー・ロウザー(b),ベン・ライリー(d)との演奏です。

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 国内盤解説の高井氏がレイに取材したときのレイのコメントを紹介しています。
 「われわれ世代のミュージシャンは、ブルース&ゴスペルをジャズの伝統として身に付けたものだ。ジョン・コルトレーンにしてもブルース&ゴスペルをしっかり身に付けていた。そういう伝統は大切にして欲しい」。
 この言葉の意味合いが随所に感じられる演奏です。「風に吹かれて」はまだレイの中で消化しきれていませんが、スタンダードの演奏は楽しいもの。
 ただ、モントレーでの名盤と比較するのは酷でしょうが、本盤では集中力の乏しさを感じる場面が多かったです。そこが残念でした。