今日はアーチー・シェップのインパルス移籍後の2枚目の作品を、取上げます。メンバーはマリオ・ブラウンやテッド・カーソンなどで、クレジットを見て頷くものです。収録曲を眺めると、シェップのオリジナルが3曲続き、これも当然との思いです。
しかし続いて収録されているのは、エリントン(Prelude To a Kiss)であり、ボサノバ(The Girl from Ipanema)であります。その演奏内容と共に、アルバムとしてきちんと成立しているかが、気にかかるところです。
ドラマ性のある12分と9分の曲に続いて登場するのが、「Malcom, Malcom-Semper Malcom」です。ナレーションの入るトリオでの重たい演奏です。私は政治的主張には感心無く聴く方なので、ナレーションで何を言っているかには興味なし。演奏から心に響くのは、苦悶の中でのもがきみの道で天に昇っていくような重さでした。
続く「Prelude To a Kiss」は鎮魂歌のような演奏、通夜のご様子。
最後の「The Girl from Ipanema」は、通夜ぶるまいで一杯飲みながら、酒好きで明るかった故人をみんなで語っている感じです。なかなか面白い1枚です。