ミルト・ジャクソンと言えば思いつくピアニストは当然ながらジョン・ルイスですが、そのMJQを離れた場合、ミルトさんがジョン・ルイスとは眞逆のカラーのピアニストを求めるのは頷けることであります。プロデューサーのノーマン・グランツが用意したピアニストは、モンティ・アレキサンダーです。ベースにジョン・クレイトン、ドラムにはこのコーナーでお馴染みのジェフ・ハミルトンが加わっております。
MJQを出た時のミルト・ジャクソンは、グルーブ感とブルース・フィーリングが魅力であることは、多くの方の一致する意見でしょう。この作品はその魅力で満開になっています。アレキサンダーはそんなミルトの魅力の1引き立て役に徹しており、それはそれで良いもの。アップ・テンポ良し、スローも良し。スローでブルージーな「Bossa Nova Do Marilla」が本作品の白眉でしょうか。ベースとドラムも素敵な演奏、多くの方の愛聴盤になる作品でしょう。