1993年から始まった横濱ジャズプロムナードは、8か所ほどの有料会場を自分好みでチョイスして演奏を聴ける、一大ジャズ祭りです。関内ホール,開港記念資料館,赤レンガ倉庫,そしてみなとみらいホール等がその会場となり、国内ジャズマンを中心に多数のミュージュシャンが参加します。
私は9年前にそれら会場に歩いて行ける地に引っ越してきたので、このジャズプロムナードが一層身近なものになりました。しかし9年間中4年間はペナン住まいだったのが、少し残念なのですが、それでも実に楽しい2日間を10月に過ごしております。
今日の主役の山本剛さんは、この横濱ジャズプロムナードに毎年のように参加しているお方で、私も開港記念資料館で1度お聞きしました。
その山本さんの代表作と言えば1970年代前半のTBMへの吹き込みが取り上げられ、「ミスティ」がその代表と言えます。
しかしながら同じ時期に吹き込まれた、今日取り上げるライブ盤も、山本さんの名刺代わりの作品と言えるでしょう。大由彰(b),大隅寿男(d)守山浩二(cong)との演奏です。 因みに大隅さんも、今でも横濱ジャズプロムナードで大暴れされている方です。
ミスティというクラブは、スタンウェイのピアノがあるとのことです。しかもフル・サイズのコンサート・ピアノ。今は無き店とのことでその音を楽しむことは出来ませんが、録音に定評あるTBMなので、その音の素晴らしさがこの盤に収まっております。
さて山本さんはこの年の4月に初作品を発表したとのこで、その名前が少し知られるようになっていた年末に、26才の時に、このライブが行われました。
憂いのフレーズに聴き入るブルース感覚が鋭いピアニストであり、それが一気にこの作品に詰め込まれていると感じました。大隅さんの瞬間爆発ドラムも素敵であり、素晴らしいライブ作品になっています。
日本のジャズは殆ど聴いていない私ですが、この時期が日本ジャズ・マンが最も輝いて時期なのではと思いました。