2016年4月9日掲載
Jimmy Smith    Keep On Comin’
 Elektra原盤          1983年9月録音

 アトランタ・フリー・ジャズ・フェスティバルは、40年以上の歴史があり、今でも行われているジャズ祭です。マイルスやガレスピー等のビッグ・ネームから、これからの活躍が期待されるミュージュシャンまで出演してきたとのことです。 
 そのジャズ祭りの1983年に、ジミー・スミス,ジョニー・グリフィン,そしてケニー・バレルという大物3人でのステージが用意されました。この3人の共演は多々あるのなと感じますが、スミスとグリフィンは初めての共演、またバレルとグリフィンもこれ以前に一度共演があるだけでのことです。 内容に関しては、誰もが想像する内容通りでしょう。スミスのリーダー作として発売されました。

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 この作品を愛聴盤としている人は、いないでしょう。この作品が世の中になくとも、誰も困らないでしょう。そんな作品ですが、聴けば聴いたで、全てのジャズ・ファンが楽しくてしょうがない気分にさせる作品です。例えばバレル作の「Be Yourself」はよくあるようなバラッドなのですが、なかなか味のある演奏です。

 さてジャズ祭での企画モノの中に、さらに面白い企画が用意されています。スミスのピアノ・ソロ。サマータイムとイエスタデイのメドレーです。独特の色合いのピアノと感じて聴いてましたが、国内盤封入解説の後藤氏によれば、スミスがオルガンと同じタッチで弾くことで、チェンバロみたいな音になったとのことです。どうせ色物企画、これはこれで面白いものです。大物ジャズマンの懐の深さが、全編に流れている作品です。