エディ・ヒギンズが立て続けにリーダー作を出したのは、2000年に入ってからのことでしょう。年に数枚もSJ紙で、初老の彼の顔を見た記憶があります。日本のジャズ・ファンにとってヒギンズは、初老のヒギンズなのでしょう。
さて今日取り上げるヒギンズは、実に若々しい表情です。何しろ30歳になっていないヒギンズさんですからね。しかしこの作品は、1960年代の日本では、殆ど聴かれることが無かったのではないのでしょうか。ピアノ・トリオ主体の作品ですが、数曲トランペットとテナー・サックスが加わっております。
考えて見れば、2000年以降ヴィーナスから大量に発売されたヒギンズの作品のジャケットは、女性ジャケでしたね。初老の彼の顔は、SJ紙の記事中での記憶でしょう。
さて若かりしヒギンズの演奏。「歯切れの良いスイング感と、メロディックの中に適度なファンキーな味わい」という岡崎氏の解説がぴったりでしょう。僕のイメージよりもファンキーさが強い演奏で、また実に個性的なもの。楽しめる作品です。
このようなミュージュシャンに陽が当たるのが、60歳になってからというのは、実に可哀そうなもの。というより、陽が当って良かったというべきでしょうか。