マイルスの元を辞し、独立して自己のバンド大活躍していたキャノンボール・アダレイの1960年代ですが、そのピークは1961年から1964年までの、シクステットを率いていた時期でしょう。即ちトランペットに弟アダレイ、テナー・サックスにはユセフ・ラティーフやチャールズ・ロイド、そこにザヴィヌルやサム・ジョーンズ,そしてルイ・ヘイズがリズム陣の時代です。
今日取り上げる作品は1968年のもので、テナー・サックスが無くなりクィンテット編成です。弟とザヴィヌルは残っていますが、ベースとドラムは名前としては少し落ちるお方々。キャノンボール・アダレイの人気自体は続いていたのでしょうけど、本盤ではクィンテットにヴォーカルのナンシー・ウィルソンとルー・ロウルズが1曲づつ加わっておりまして、これはレコード会社の「そろそろかな」との思いからの戦略と思ってしまったのは、私の捻くれた性格からでしょうかね。
客を乗せるテクニックは一流であり、エンターテイメントとしては立派なもの。ジャズとしては聴き入る場面なし。そんな辛口の感想を今日は持ちました。