ラリー・ウィリスというピアニストのリーダー作をここで取り上げるのは、記録を見る限り初となります。かつて取り上げた気がしていたのですが、それはサイド参加の作品との勘違いなのでしょう。
1942年にNYに生まれた彼は、1950年代末からプロ活動を始め、マクリーンのカルテットなどで活動していました。1970年代にはBS&Tでも活動し、時代の波を潜ってきたお方です。その後は地道なジャズ活動を続けており、一定の評価を得ております。基本はピアノ・トリオ作品。そして全8曲3曲にエリック・アレキサンダーが参加しており、購入理由はここでありました。
ベースはゴメス、ドラムスはドラモンド。この二人とウィリスでのトリオは、適度な刺激が素敵な演奏です。派手さを抑えながらも、ピアノ・トリオの魅力を伝える内容です。また各楽器の音色をゆったりと味わえるのもの魅力的。リフだけのメロディが印象に残るようなマイナーなブルース曲に対して、いろんな花を咲かせている演奏です。またアレキサンダーの演奏も、トリオで退屈気味にならない範囲でのもので、効果的。小粒ながらもジャズの魅力を味わえる内容です。