エリック・アレキサンダーが恐らくはリーダーであるワン・フォー・オールの作品です。このグループの作品を取り上げるのも、これで9枚目になります。Jim Rotondi(tp),Steve Davis(tb),David Hazeltine(p),John Webber(b),そしてJoe Farnsworth(ds)というお馴染みのメンバーでの録音。収録曲は、メンバーのオリジナル曲が中心となっております。3管の魅力と、ハード・バップの魅力が、ワン・フォー・オールの持ち味。これ以外の魅力の発見を期待します。
ヘイゼルタイン作のタイトル曲は、JMのオリジナルと勘違いしたくなる、マイナー・リフが印象的なものです。tb,tp,そしてtsと3管のソロが続いて行きます。どれもそこそこ熱気のあるものですが、各自の技量からすれば想像できる範囲のもの。この3管に続くのがヘイゼルタインのピアノですが、作者だけにこれには大きな期待をしてしまいます。しかしながら、これも期待の範囲の演奏です。この後にベース・ソロが続いて、この曲は終わっていきます。
他の7曲でも、同様に爆発するソロが聴けない。今のジャズ界でこのハード・バップの熱気をコンスタントに発揮できるグループは他には見当たらないだけに貴重な存在の彼らですが、もう一つ突き破るような演奏を期待してしまいます。