2016年4月2日掲載
Les McCann & Eddie Harris     Swiss Movement
Atlantic原盤                               1969年9月録音

 ジャズを長く聴いてくると、聴いたことがある作品と勘違いしてしまうことがあるのは、私だけでしょうか。 今日取り上げるピアノのレス・マッキャンですが、このコーナーで「In San Francisco」という作品を取上げました。その際に「レス・マッキャンと言えばエディ・ハリスとやらかしたモントルー1969年の印象が強いのですが」とコメントしました。これは当時何かの媒体で1969年モントルーのことを読み、確かLPで持っていると勘違いしてのコメントでした。

 そんな勘違いした作品を、数年前に廉価CDで入手しました。解説の岡崎さんの紹介文から引用します。
 1967年開始のモントルー・ジャズ・フェスティバルを一躍世界に広めたのは、初年のビル・エヴァンスのライブ盤でした。そしてこの「スイス・ムーヴメント」が発売され、更にモントルーの知名度があがったのです。この1969年、エディ・ハリスがカルテット、レス・マッキャンがトリオで出演していましたが、フェスティバルの後半になり二人が一緒に演奏できないかと考えるようになりました。そしてトランペットのベニー・ベイリー、ベースのリロイ・ヴィネガー、ドラムのドナルド・ディーンとのステージが実現したのです。
 そんな作品、聴いてみます。

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 確かに大熱演なのですが、ジャズ・フェス全体では色物扱いなのでは。或いはステージ全体から大盛り上がりだけを収録したのかも。
 そんな風に感じるのは、オリジナル未収録の「Kaftan」が最後にあり、ヴィネガー作のシンプルなワルツ・ナンバーをマッキャンとハリスが、ヴィネガーが刻むリズムの上で楽しげに演奏しています。
 この点からすると、ジャズがロックへの歩み寄りを強めていた時代に合わせるべくアトランティックが編集したからなのではと、考えます。今日はそんな見方をしました。