数年前に購入した廉価盤には、ハンク・モブレーとリー・モーガンのコ・リーダー作と帯に書かれていますが、有名ジャズ・クラブの月曜夜の企画モノとして組まれたバンドですので、誰がリーダーということは無かったのでしょう。ジャケには管4任の名前が記されています。この録音日で、27歳のモブレー,21歳のモーガン,23歳のフラー,そして24歳のビリー・ルート(ts)がその4人です。
バードランドのMCと言えばピー・ウィー・マーケットとなるのですが、この作品ではシンフォニー・シッドさんがMCを務めています。実に渋い声、落ち着いた語り口、実にカッコいいものです。大盛り上がりのウォーキンの後に、「このライブの重要なことはみなさんに楽しんで頂くこと、続いてはオール・シングス・ユー・アーです」と素敵にアナウンス。
少しアップテンポで始まったこの曲では、テーマをフラー・ルート・フラーと吹き、続いてソロ。フラー・モブレー・モーガン・ルートと続く演奏は、若さの勢いがありながらも奥深さもあり、聴き惚れるものです。
この4人の中で、ルートさん以外は看板ミュージュシャンになっていくのですが、ルートさんのその後の活動は地味なものでした。この作品では、モーガンとフラーの熱気と共にルートさんも味わいある演奏を行っていただけに、残念なものです。
なおこの作品には続編があります。いずれこのコーナーで取上げます。