アーチー・シェップの7枚目のリーダー作品を今日は取上げます。
コルトレーンのアセッションへ参加したのが前年の1965年のことですが、これはコルトレーンにもシェップにも大きな意義のあったものでした。フリー・ジャズのムーブメントで注目されたシェップ、そしてフリー・ジャズへの傾倒を図りだすコルトレーン、その二人が濃いセッションを行ったものです。 その翌年録音の本作品は、あまり語られることが無い作品です。トミー・タレンタイン(tp),ラズウェル・ラッド(tb),グラチャン・モンカー三世(tb),ペリー・ロビンソン(cl),ハワード・ジョンソン(tuba),チャーリー・ヘイデン(b),そしてビーヴァー・ハリス(d)等との演奏です。
やはり18分に及ぶ「A Portrait of Robert Thompson」が、この作品の要でしょう。
ロバート・トンプソンについて調べてみようとしましたが、ネットで多数検索されるものは、1993年にイギリスでおきた2歳児殺害事件に関するものばかりでした。加害者は10歳の少年二人、その一人がロバート・トンプソンでした。この事件は記憶に強く残ってますが、本曲とは関連ないので、ここまで。
この曲の演奏ですが前半はまさにアセッション模様であります。この辺りの演奏が、欧州におけるフリー・ジャズに大きく影響したのでしょう。しかしシェップにあって欧州フリー・ジャズの無いのは、歌心。後半に響くシェップの綺麗な歌心に感心致しました。