リーブマンの名前が先にクレジットされているので、サックス特集で紹介すべき作品だったのでしょう。まぁ、バイラークとのデュオなので、ピアノ特集で紹介することにお許しを。
このCDを買ったのは、学生時代の渋谷ジャロさんでのことでした。店内で常連さんが、リーブマンの作品を最近は買い漁っているんだとの言葉を聴いて、当時評判になっていたこのデュオ作品に手を出したのです。コルトレーンやロリンズ、そしてモンクの曲などを取り上げています。
『ネイマ』と言えば、複雑な人間の思いが伝わってくるような重たい響きで演奏されてきている曲です。それをリーブマンとバイラークは、実にサラッと演奏しています。まるで録音地であるコペンハーゲンの石畳に薄っらと積った雪のよう。実に新鮮な響きです。
ソプラノ・サックスとピアノのデュオと言えば、レイシーとマルの演奏を思い出します。この二人は、1980年代から1990年代までに、デュオで数多くの作品を発表しています。私も数枚持っていますが、なかなか光る場面が少なく、退屈な内容になっておりました。しかしリーブマンとバイラークの演奏は、聴かせる場面が実に多いものです。発売当時に人気になった理由が、20年以上たった今でも、伝わってきます。