イタリアのジャズ・マンであるオスカル・ヴァルダンブリーニ(tp)とディノ・ピアナ(tb)の双頭クィンテットの作品です。イタリアの名手など言う表現がネット上にありますが、ヴァルダンブリーニはバッソとの共演で名前を聞いたことがありますが、ピアナに関しては恐らくこの作品で彼の存在を初めて意識することになります。他にはOscar Rocchi(p),Giorgio Azzolini(b),Tullio De Piscopo(d)が参加しております。ここでも名前を知っているのは、アゾリーニだけです。アゾリーニとヴァルダンブリーニは、1950年代前半にバッソとのグループで活動を共にしておりました。
モダン・ジャズのエッセンスを土台にして、これでもかのスピード感で迫ってくる演奏です。ロッチはエレピを弾いており、普通ならば僕にとってはマイナス・ポイントなのですが、ここでは2管の爆走に良い風味を加えているものになっております。この作品も恐らくはクラブ系の需要に応えての復刻でしょうが、ジャズ・ファンにも十分楽しめる内容であります。1970年代のジャズ・シーンは、アメリカの状況さえ語ることが出来る人はそんなにおりません。ましてや欧州ジャズとなれば、尚更なこと。この作品以外にも、素晴らしい内容ながら埋もれていってしまったものが多いことでしょう。