まぁ、ドラム2つ入れての作品ですから、企画モノ太鼓合戦でしょうね。参加メンバーは豪華。モブレイ,ミッチェル,フラーの3管に、ケリーとチェンバースです。
3管が絶好調、特にモブレーは普段とは違う音色を聴かせ、快調に演奏しています。
それで主役のドラマー二人ですが、右がフィリー,左がエルヴィンとなっております。バッキングの時は普通の感覚で聴けますが、ソロとなると二人のこの時点での個性が分かります。
フィリーは1950年代に引っ張りだこNo.1ドラマーであり、マイルスのもとで輝く演奏を繰り広げてきたわけで、既にその個性は完成されたもので、演奏でそれがはっきりと確認出来ます。
一方のエルヴィンは1959年9月のコルトレーンと初共演し、1年後の1960年10月の「コルトレーン」(アトランティック)セッションから正式にコルトレーンとの共演が始まるわけですが、本作品で聴くエルヴィンには、コルトレーンのもとにいた時やそれ以降の個性が感じられない演奏です。
偉大なドラマーの演奏をいろんな思いを込めて聴けることに、この作品の価値があると言えるでしょう。
最後に録音状態。私が持っているCDは数年前に国内廉価盤で発売されたものですが、低音がボコボコしている箇所が多々あります。そこが気になりました。