2009年1月24日掲載
Junior Mance          Softly As In A Morning Sunrise
Enja原盤                  1994年7月録音

 最初の香港赴任時代に、購入した作品です。沙田のアパートで、プアなオーディオ装置で、何度も聴いておりました。購入してから半年後に帰国になったのですが、それからは聴く機会なしで13年が経過しました。

 ジュニア・マンスの60半ばの録音ですが、かつてのブルース・フィーリングを少し弱めて、優しさが加わった演奏と記憶しております。Jimmy Woode(b)とBob Durham(d)とのトリオで、ミュンヘンのスタジオで録音されたものです。13年前のプアな装置からみると天国のような今のオーディオで、大音量で聴いてみます。

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 枯れた味わいというのは、突っ走ってきた人だけが醸し出せるものなのでしょう。まさに枯れたファンキー・ピアノ。その意味合いは、タイトル曲よりも『Sunset and the mocking bird』で楽しめます。一方で録音なのですが、ベースとドラムが上手く録れていません。大音量で聴くことによる新たな発見は、収穫無しでした。

 さて録音当時で68歳、そして日の出より日没の雰囲気が似合っている演奏。しかし、この録音から14年経っていますが、マンスさんはまだまだ現役です。つい最近、キングの「低音」シリーズからリチャード・デイビスの作品が発売されたのですが、それはマンスさんとのデュオ。怖いような楽しみのような気分で、近いうちのこのコーナーで取り上げます。