ロイ・エアーズのアトランティックへの2作目を、今日は取上げます。ゲイリー・バーツ,チャールス・トリヴァー,ヒューバート・ロウズ,ハンコック,ミロスラフ・ビトウスと言った、この時期に強烈な個性を形成し始めていたメンバーが参加しています。
国内廉価盤帯によれば、エアーズの最高傑作とのことです。
音楽における1968年をみてみると、ジャズではマイルスがイン・ザ・スカイを吹き込んだ時期、ビートルズはホワイト・アルバムを、ストーンズはベガーズ・バンケットを、ピンク・フロイドは神秘を発売した時期であり、新たな時期に向かいだしていたと言えます。
そんな時代に吹き込まれた本作品は、後のクロスオーバーやフュージョンに結び付くものが感じられ、また新たな手法への挑戦、或いはもがきが聴き取れます。ただそれから50年近く後に本作品を聴いていると、カルロス・ジョヴィンによって作られたばかりの名曲「Wave」が、ポップなアレンジの中で心地よく流れていく場面に落ち着きを感じました。