2009年4月19日掲載
Harold Harris         Here's Harold
Vee Jay原盤            1961年2月録音

 シカゴで活動していたピアニストのハロルド・ハリスのデビュー作です。彼の2作目をここで取り上げたのは、10年前のことになります。その際のコメントを読み返すと、気に入ったのかどうか分からないことを書いております。しかし2作目を聴いた直後にこの1作目を買ったわけですから、そこそこ気に入っていたのでしょう。

 1日の録音でかなりの曲数を吹き込んだとのこと。オリジナル発売では、その中から10曲を収録。1998年のCD化にあたっては、それに8曲追加されております。レンネル・グラス(b)とジョージ・ハーブス(d)との録音です。

20090419

 軽い音色のタッチで、無理があるような間で演奏するスタイルは、専属となっていたジャズ・クラブやレコード会社からの要望なのでしょうか。オリジナル発売での10曲の中で、最後の曲となる『マイラ』だけが、違った顔のハリスをみせています。ブルース好きなピアニストの表情がよくでている、粋な演奏。彼はこんな曲をもっと演奏したかったのでは。しかし周りがそれを許さず、そんな世界が嫌になって、ハリスのジャズ界での活動期間が1960年代前半だけで終わったのだと、想像致します。