フランスジャズ界の重鎮ピアニストであるマーシャル・ソラールの作品は、過去に4枚取り上げてきましたが、本作品が最も古い録音作品になります。それもそのはず、これが彼にとっての初リーダー作品です。
1954年10月録音の2作目をここで取り上げたのは、もう10年前のことになります。
ソラールは、当時はフランスの植民地だったアルジェリア生まれとのこと。第二次世界大戦中にラジオから流れてきたジャズを聴き、ジャズを演奏するようになったのです。アルジェリアやモロッコで活動しながら、1951年にパリに進出。しかし暫くは仕事が無かったのですが、徐々に名前が知られるようになり、やがてフランスのジャズ専門誌に「パウエルとガーナーの流れをくむ名手」紹介されるようにまでなったのです。この作品ではまさにそんな時期の演奏が聴けます。ハンプトン・ホーズ作の『ペニーズ・フロム・へヴン』での楽しさは、格別のものでした。