2009年2月23日掲載
Michel Sardaby          Night Cap
Debs原盤                    1970年10月録音

 サダビィの第3作目を、今日は取り上げます。国内盤に封入されている解説を書いた寺島氏のよれば、氏が初めて本作を聴いたのは、新宿ディグでのこと。すぐにレコード屋に走ったけど、既に売り切れ。買っていた人は、ジャズ喫茶の方だとか。結局、氏が購入できたのは、第二便が届いた3か月先だったとの話です。その間も、店を訪れる客から本作をリクエストされる度に、、置いていないことを恥ずかしく思ったとのことです。

 さてメンバーですが、MJQのヒースとケイが脇を固めています。

20090223

 録音が素晴らしい。3人の強烈な演奏が、迫力ある音に収められています。先ずこれだけで、ジャズ喫茶の店主が買いに走ったのに頷きます。そしてサダビィの演奏は、明るさ少なめにし、影のある演奏に終始しています。これがまた、ジャズ喫茶の紫煙の中で、考え込みながら聴く自分に酔っている客たちに好評だったのでしょう。分かりやすい影なんだな。ずっと聴き続けるピアノ・トリオ作品です。