この作品が世に出たのは、1994年の春頃。私が購入したのは、1999年後半の塩山時代に、渋谷ジャロさんの中古コーナーでのこと。丁度「今日の1枚」を開始した直後で、この作品も本来ならば早い時期にこのコーナーに掲載されていた作品なのです。
さてテラソンは1994年からはブルー・ノートの所属になり、一気に知名度があがった方です。テラソン28歳の時の本作品、ウゴンナ・オケーゴ(b)とレオン・パーカー(d)とのピアノ・トリオ作品です。
ジャズだけではなく何か調べごとをする際には、webの検索サイトを使用するようになって、早くも10年が経ちました。その検索サイトですが、7年ほど前からは、グーグルに変更。そして検索される内容は、ここ数年でウィキペディアのページがヒットすることが多くなりました。Jacky Terrasson に関する情報を得ようとグーグルで検索したところ、何と日本語版ウィキペディアに彼の記事がありました。しかし間違いもあり。この作品は2002年と記載されております。
他の記載を見れば、「バド・パウエル、ビル・エヴァンス、セロニアス・モンクから強く影響を受ける」とあります。かなり薄れている10年前に聴いた際の印象は、この3人の中ではビル・エヴァンスの影響を受けた演奏とのもの。しかし今回改めてこの作品と対峙してみると、モンクからの影響が強いもの。しかし3人の特徴が上手くブレンドされているのも事実。パーカッシブなピアノ・トリオ作品として存在感ある内容です。
解説の高井氏が「ジャッキーの最もすばらしいところは、演奏がクリエイティブでストーリーを持っていることだ」と述べています。簡単な表現なのですが、私にはなかなか書けないコメントです。この作品の後半、まさに高井氏が述べた言葉がピッタリの内容となっています。