2005年10月8日掲載
One For All       Killer Joe
Venus原盤         2005年3月録音

 現在使用しているCDプレーヤーは、開閉ボタンでトレーが前に出てくるもので、これはオーソドックスなものです。特徴的なのは、そのトレーにディスクを乗せた上に、スタビライザーを載せること。真鍮で出来た重石なのですが、稀にこれをディスクの上に落としてしまうことがあります。オーディオ・ラック上でプレーヤー自体が奥に動いていき、ディスクを取り出す際にスタビライザーを持ち上げた手が、ラックの上段の板に当たってしまうからです。

 今まで数回起きたこの事故は、今までは大事に至らなかったのです。しかし今回は、スタビライザーが勢い良くディスクにあたり、ディスクは床の上に飛んでしまった。そして、内側に傷。1曲目と2曲目に大きな影響を与えてしまったのです。

 そんな不運に見舞われたのは、ワン・フォー・オールの最新作です。ヴィーナス・レーベルへは3作目の吹き込みとなる本作品は、ジャズ・ミュージュシャン作の有名曲を中心とした内容です。

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 スローからミディアム・テンポの曲で光るホーン・アンサンブルでの、ゆったりとした流れの空気感が、この作品の魅力であろう。アーマッド・ジャマル作の『night mist blues』と、ゴルソン作の『I remember clifford』が、そんな内容での聴き所でしょう。三管どれも好演ですが、トロンボーンのデイビスの存在が光ってますね。そんな意味では、傷で聴けなくなっている1曲目の『killer joe』が、実にもったいなく感じます。

 これは勝手な想像ですが、ヴィーナスというレーベルは、形を変えての再発を繰り返すレーベル。恐らく1年以内に、紙ジャケでこの作品を再発するでしょう。もし繰り返し聴いても飽きが来ない、所謂スルメ盤にこれがなっていたならば、紙ジャケ購入することでしょう。