アトランティックに録音さたクリス・コナーの作品を取上げりのは、これで12枚目になります。僕が持っているアトランティックのクリスは全て取上げたことになります。また恐らくこの12枚が、アトランティック時代のクリス作品の全てだと思います。
さて2枚組みのこの作品は、ガーシュイン集です。ジョージ・ガーシュインは1898年にロシアから移民してきた両親のもと、ブルックリンに生まれました。幼い頃から音楽に親しみ、作曲家を志して高校を中退。出版会社に入りながら作曲を行い、1916年に初作品を世に出しました。1919年に『スワニー』が大ヒットし、注目されるぞんざいになりました。その後は数多くの作品を発表してきましたが、過労により38歳で世を去ってしまったのです。また詩は、2歳年上のアイラお兄さんが書いておりました。
ラルフ・シャロン,レイ・エリス,そしてスタン・フリーがバックを仕切った8回のセッションから構成されています。
『I Got Rhythm』,『The Man I Love』そして『How Long Has This Been Going On』等の大有名曲。『I've Got A Crush On You』や『Nice Work If You Can Get It』等の有名曲。この普通の有名曲の中では、スロー・ナンバーの『Love Walked In』が良かった。インストものでは、ソニ・クラの作品で有名な曲であるが、 クリスの歌も上質のもの。
僕の知識不足なのでしょうが、さほど有名では無い曲も収録されてます。その中でも『Slap That Bass』が良かった。ラルフ・シャロンのアレンジも活きていた、ミドル・テンポの曲です。
さて、これらのガーシュインの珠玉の曲を歌うクリスさんは、声質での甘美さは排除して、歌自体で甘美さを醸し出しています。この部分はアトランティックの諸作に共通のことですが、ガーシュインの様々なタイプの曲を通すことによって、より際立っております。バックの好演奏も、その一因でしょう。数多あるガーシュイン集の中でも、抜きんでた作品と言えるでしょう。