この「今日の1枚」というコーナーを開始して、新譜を積極的に買い漁っていた時期に、エンリコ・ピエラヌンツィの作品を立て続けに購入して、このコーナーで取上げておりました。今調べましたら、9枚になります。しかそれ以降5年間、彼の作品からは少し遠ざかっておりました。決して飽きたわけではないのですが、何故か気持ちが新譜購入に向かなくなたのでした。
しかしながら、昨年末にこの作品の発売を知った時には、何か予感がして、注文したのでした。恐らくはライブ盤であるのが、その理由だったのでしょうか。メンバーは、Hein Van de Geyn(b),Andre Ceccarelli(d) という、気心の知れた方々。パリの Le Duc Des Lombards というところでのライブで、CD2枚組みであります。
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ライブだからなのか、いつもより力強いリズムですが、ピエラヌンツィらしい幻想の世界はそのまま維持されております。収録曲は、スタンダードを主に、ピエラヌンツィのオリジナルが加わっています。当然ながら、そのスタンダード演奏はピエラヌンツィ節で染められており、また随所に聴き所が用意されております。
例えば、『JItterbug waltz』では、最初はテーマを大事にした演奏。その後ベース・ソロを挟んで、ピエラヌンツィ・ワールドに突き進んでいきます。聴かせ方が実に上手く、そこに感心しております。こんな内容が随所に発揮されている2枚組みであります。