2000年4月23日掲載
Enrico Pieranunzi-Ronnie Cuber Quartet
Inconsequence
Dire原盤         1982年11月録音

 ピエラヌンツィ(p)とロニー・キューバー(bs,fl)の双頭リーダー・クァルテットの作品です。ロニー・キューバーはピエラヌンツィより8歳年上で、1960年代には、スライド・ハンプトン、メイナード・ファーガソン、ジョージ・ベンソン、ライオネル・ハンプトン、ウッディ・ハーマンといった有名楽団で活動していました。リーダー作品の発表は1976年ですから、少し遅いですね。1980年代、つまりこの録音の時期には、フュージョン色を濃くした演奏をしていたようです。この作品が吹込まれた経緯がわからないのですが、二人の活動を文献等で振り返ってみても、接点がみつかりませんでした。6曲収録されてますが、作者のクレジットはなし。二人のどんな出会いが収められているでしょうか。

20000423

 キューバーは、 R&Bのノリの良さを身につけている方です。1971年にはキング・カーティスと一緒に活動し てたのも、肯けます。そんな彼の持味をフルに発揮でいる曲が、4曲あります。ここでのピエ ラヌンツィは楽しげに付き合っていながらも、現在の彼に聴ける凛々しさも感じ取れます。去年からピエラヌンツィに目覚めた僕には、基準にしてピエラヌンツィをみるしかないのです けどね。そのピエラヌンツィらしさの発揮場所が2曲。“the secrt ongredient”は彼らしいメロディ、恐らく彼の作品でしょう。キューバーのフルートとともに、美しさに浸れます。 タイトル曲は美しいバラッドで、ウットリします。この作品以降の二人の接点があるのかは知りませんが、一見合い入れないミュージュシャンを合わせたプロデュースが、互いを刺激す という意味で成功している作品です。