今までにここでピエラヌンツイを7枚取り上げてきましたが、トリオ・デュオ・クァルテット・クィンテットと、その編成は幅広いものでした。そして今回の作品は、シックステット。Fabrizio Bosso(tp,flh),Rosario Giuliani(as,ss),Gabriele Mirabassi(cl)と、3管入ってます。
エヴァンスに因んだタイトルですのでトリオでの演奏かと誰でも思うのでしょうが、3管入ってます。そこはそこ、ピエラヌンツイならではのアイデアがあるのでしょうね。ピエラヌンツイのオリジナルと、エヴァンス関連の曲が、半々ずつ収録されています。アレンジはピエラヌンツイが行なってます。
繊細・精微でふくよかな旋律というピエラヌンツイの個性が、そのまま3管のアレンジにも繁栄されており、どれもがピエラヌンツイの音になっているのが見事です。しかし、これは静の曲のお話。動の曲では、ホーン・サンサンブルが中途半端な出来で、少しガッカリ。お薦めは「evening song」と「passing shadows」です。
最後に「very early variations」と称して6曲からなる組曲を演奏しているのですが、これはソロ・ピアノでの演奏。静かな奥深い展開の組曲なだけに、3管入りで演奏して欲しかったな。
3管ということでこの盤を敬遠した人も多いかもしれませんが、ピエラヌンツイの世界に浸れるという意味で、買って損はしない内容ですよ。