2001年11月7日掲載
Mads Vinding      The Kingdom
Stunt原盤           1997年3月録音

 マッズ・ヴィンディングさんはベーシスト。で、この作品の目玉は、ピアノがピエラヌンツイ,ドラムがアレックス・リールという参加者です。

 何でも1990年にラジオ番組への録音で、この3人は共演したらしいですね。久しぶりにそのテープを聴いたヴィンディングさんは非常に演奏意欲が高まり、二人に声をかけてこの録音が実現したとのこと。ピエラヌンツイの曲を中心に、収録されている作品です。

20011107

 清清しいほどのピエラヌンツイの世界。極上の旋律のオン・パレード。ただ美しいメロディを奏でるだけのピアニストの作品なら1時間は長すぎて退屈するのだが、この作品は1時間があっという間に終ってしまう。ここが、一流と二流の差だな。ピエラヌンツイだけではなく、ヴィンディング,リールとの三位一体インタープレイが冴え渡っているから、2時間でも3時間でも聴いていたくなってしまうね。

 スタンダードの「my foolish heart」「I remember Clifford」のメロディが、実に違和感なく溶け込んでいるのがお見事。

 ただ贅沢を言えば、「somewhere」で聴けたヴィンディングのベースをフューチャーした演奏をもっと多めにしてくれれば、この盤の個性がより一層光ったでしょうね。