「Intensity」のピアノの持っているパーカッシブな面を最良の形で引出している演奏が素敵だった、ピエロ・バッシーニ。その3年後の吹込みである本作品では、どんな演奏を聴かせてくれるのでしょうか。ベースは同じLuca Garlaschelli、ドラムはRoberto Gattoに替わっての吹込み、曲は全てバッシーニのオリジナルです。
この作品は、表面はしっとり系。しかし、大掛かりではないが、小粋な仕掛けを随所に盛り込んだ内容です。落ち着いた何気ない曲である「for my father」、突然の大雨のような激しさがある「minor context」と続く展開が、聴き所です。神経を集中して聴いていると、バッシーニの内面をえぐるような世界に引きずり込まれますよ。好盤。