2018年6月2日掲載
Red Garland          Bright And Breezy
Jazzland原盤          1961年7月録音

 「今日の1枚」でガーランドの作品を掲載するのは、これで11作目となります。サム・ジョーンズとチャーリー・パーシップとの録音した、人気ピアノトリオ作品です。

 私がジャズを聴き始めて2年ほど経過した1984年4月に、ガーランドは帰ら人となりました。当時の私にとってのガーランドは、聴き込んでいたコルトレーンやマイルスに欠かせぬピアニストとの印象でありました。そのピアノスタイルに惚れてガーランドのリーダー作も聴き始め、私の大好きなピアニストとなったのです。

 ガーランドがジャズランド(=リバーサイド)に最初に吹き込んだリーダー作品であります。

20180602

 アルバム・タイトルは収録曲ではないので、この作品のテーマ或いは出来栄えから名付けたものでしょう。Breezy の邦訳には幾つかの意味がありますが、ジャケからすると そよ風 なのでしょう。そうすると同様にいくつかの意味がある Bright は、私は キラキラした との意味だと思いました。キラキラしたそよ風、朝日に木立の中にいる気持ちを表したのではないでしょうか。その中で思いを巡らせた世界を、収録曲に感じ取ったのかなと、少々こじ付けですが思ったりしました。

 地味なスタンダードですが味わい深いバラッド「What Is There To Say ?」では、そんな木立の中で思い出の土地を懐かしんでいるように、宝石が輝くようなガーランドの右手からの演奏に聴き入ります。そしてベースソロを挟んでの後半は、今の自分に刺激を与えるかのような抑え気味のブロックコード。

 何でも録音は4時間で終了したとのことですが、ガーランドの魅力を存分に楽しめる、ピアノトリオの好盤に仕上がっています。