1999年9月16日掲載
Red Garland       groovy
Prestige原盤     1956年12月録音

 ジャズを聴き始めた時にハマッたのがマイルスのマラソン・セッションでした。ここでその素晴らしさには触れませんが、 聴いているうちに興味がそのセッションに加わっているコルトレーンとガーランドに移っていきまし た。そのガーランドがマラソン・セッションと同年と翌年に吹き込んだのが本作品であり、彼の傑作として、ピアノ・トリオの名作として名高いものです。このアルバムが語られる時は、エリントン作の “c jam blues”に焦点が当てられるのですが、久しぶりに聴く今夜は他の曲にも興味を向けてみたいと思います。メンバーはベースにポール・チェンバース、ドラムにアート・テイラーという豪華な顔触れですよ。

19990916

 この中で唯一のガーランド作の“hey now”は、小粋なミディ アム・テンポのブルース曲でして、お得意のブロック・コードに乗って流れる、シングル・トーンの 軽快なタッチが光る演奏になっています。チェンバースもアルコを出すことなくキッチリとリズムを キープしていますし、テイラーのドラムはでしゃばることなくピアノを盛り上げています。でもやっぱ りこのアルバムを聴いていくと興味は、“c jam blues”に向かってしまいますね。これだけのブルー ス感覚溢れるフレーズのオンパレードに接した人は、落書きジャケットのセンスの良さと合わせて、耳と目からこの作品が離れることはないでしょう。